増刊号 臨床医のための最新エコー法
エコー法の実践—泌尿器領域エコー法
副腎・後腹膜疾患
平田 經雄
1
,
上川 秀樹
1
,
倉重 康彦
1
1天神会新古賀病院臨床検査部生理機能検査室
pp.302-306
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907762
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検査の手順
1.解剖学的特徴
後腹膜腔は,前腹壁からの最深部に位置する広範囲な空間で,膵臓,腎臓,副腎,泌尿生殖器および消化管の一部,腹部大動・静脈およびリンパ系などの多彩な臓器と脈管などが存在する.しかしながら通常はそれらを除いて後腹膜腔とすることが多く,後腹膜腔病変の判読は,前記諸臓器・管状構造物疾患の除外から始まる.
両側副腎は,下部胸郭に囲まれる体幹中央の深部に存在する三角形の小臓器で,周囲を含気性の肺や消化管に囲まれるため超音波が透過しにくく,描出困難なことがある.新生児で腎サイズのほぼ1/3,5歳で3cm,成人で4cmくらいに達し比較的長いにもかかわらず,幅が乳幼児では1mm,成人で3〜6mm程度と非常に薄いこと,きわめて不整な形状をなすことなども超音波検査にとっては悪条件となる.
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