増刊号 内科エマージェンシーと救急手技
疾患からみた内科エマージェンシー
その他の疾患
熱中症(労作性熱射病)
加藤 正人
1
1東北大学医学部麻酔科
pp.394-395
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907181
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ポイント
●熱中症(労作性熱射病)は,高温多湿の環境や運動によって高体温や意識障害をきたす疾患である.
●患者の一部にリアノジン受容体RYR1異常があり,全身麻酔の合併症である悪性高熱症との関連が示唆される.
●診断は,過呼吸を伴う体温の急激な異常上昇,意識障害,循環不全で行う.横紋筋融解も高頻度にみられる.
●治療の原則は早期発見であり,直ちに体表面冷却と冷却輸液を行う.高体温や横紋筋融解が続く症例には,悪性高熱症の特効薬であるダントロレンを投与する.
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