内科エマージェンシー 私の経験
逃してはいけないタイミング
政金 生人
1
1山形大学医学部第1内科
pp.159
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907085
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こわい先輩がいる.その瞬間に何を考え,何が必要と判断し,持てる技術をすぐに実行できるかどうかが重要で,そこで内科医の真価が問われるのだといつも言っていた.
1995年のとある土曜日夕方,Y町立病院から電話があった.67歳の女性が敗血症性ショックによる多臓器不全になり危篤状態となっているので移送したいとのことだった.その日の救急当番であった私は,勤務時間をあと30分残すだけの時間であったが渋々移送を承諾した.そしていざ患者が到着してみると,患者は抜き差しならぬ状態で傾眠傾向であった.昇圧剤はドパミン20μg/kg/minが投与されていたが血圧は50mmHg台であり,もちろん無尿,ICUのベッドに移すときには徐脈になり心肺停止にならんばかりであった.
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