増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗サイログロブリン抗体(TgAb)
家入 蒼生夫
1
1獨協医科大学臨床検査医学
pp.590
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906486
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サイログロブリン(Tg)は甲状腺濾胞細胞で合成される蛋白質で,分子量33万のモノマー2個からなるダイマーを形成し,甲状腺ホルモン合成の基質となっている.濾胞腔に貯蔵され,必要に応じ再吸収され,甲状腺ホルモンが血中に分泌される.このTgに対する自己抗体がTgAbで,橋本病をはじめとした自己免疫性甲状腺疾患患者血中に存在し,甲状腺炎の発症および進展に関与している.
TgAbの測定は,125I標識Tgに抗体を結合させ,プロテインAを用いて沈降させ,放射能を測定するRIA法と,ヒト由来の精製されたTg蛋白質を固相化して測定するEIA法とがある.現在いくつかの測定キットが市販されているが,用いられている標準物質の濃度がキット間で統一されておらず,測定値の表示値が大きく異なる.
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