増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗Sm抗体
上阪 等
1
1東京医科歯科大学医学部第1内科
pp.578
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906478
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
抗Sm抗体は,全身性エリテマトーデス(SLE)患者の血清に見いだされて報告された自己抗体で,発見の由来となった患者名Smithの初め2文字が冠されている.以前よく用いられた受身血球凝集法(PHA法)による抗ENA抗体測定でRNase抵抗性抗体として検出される抗核抗体の一つである.
この抗体は,細胞核内のRNA/リボ核蛋白複合体である核内低分子リボ核蛋白(small nuclear ribonucleoprotein:snRNP)分子のうちのU1,U2,U4/6,U5RNPと反応する.U1RNP分子は,1分子のU1RNAに,68K,A,B/B',C,D,E,F,Gなどの蛋白が結合するもので,その他のRNP分子は,U1RNA結合蛋白のうちのB/B',D,E,F,G,これに加えてそれぞれに固有の蛋白が結合している.抗Sm抗体は,これらの蛋白のうち,B/B'およびD蛋白を認識するものである.
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