特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗Sm抗体
上阪 等
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科
pp.442-443
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104812
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
抗Sm抗体は全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)患者の血清に見いだされた自己抗体で,発見の由来となった患者名Smithの初め2文字が冠されている.かつて用いられた受身血球凝集法(passive hemagglutination:PHA法)による抗ENA(extractable nuclear antigen:可溶性核抗原)抗体測定で,RNase抵抗性抗体として検出される抗核抗体の1つである.
この抗体は細胞核内のRNA/リボ核蛋白複合体である核内低分子リボ核蛋白(small nuclear ribonucleoprotein:snRNP)分子のうちのU1,U2,U4/6,U5-RNPと反応する.抗体結合蛋白はこれらの蛋白の共通構成成分であるB/B',D1,D2,D3,E,F,Gなどの蛋白である.なかでもB/B',D1,D3が認識されていることが多く,E,F,G蛋白はnativeな形でのみ認識される.
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