増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗Sm抗体
上阪 等
1
1東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科学
pp.404-405
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223326
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検査の概要
抗Sm抗体は,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)患者の血清に見いだされた抗核抗体の1つで,発見の由来となった患者Smith氏の初め2文字が冠されている.蛍光抗体法による抗核抗体検出法では,主に斑紋(speckled)型として検出される.
標準的には,オクタロニー法(二重免疫拡散法)で検出される.寒天平板上の小孔に抗原と被検血清を別々に入れてゲル内を拡散させ,抗原抗体反応により生じる沈降線から抗体の有無を判定する.その後,検査自動化のために,自己抗原を生化学的精製ないし組み換え蛋白として作成して被検検体を反応させ,結合した抗原抗体複合物を色素ないし蛍光で検出して定量する方法(ELISA法)も導入された.前者は沈降線を生じる最大希釈倍数で陽性度を表すので半定量法と呼ばれ,後者は抗体量を光学的に測定するので定量法とも呼ばれる.わが国もかつて用いられていた受身血球凝集法(PHA法)ではRNase抵抗性抗ENA抗体として検出される.
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