今月の主題 不整脈患者のマネジメント
病歴から検査まで
心電図から危険な不整脈を予測する
加藤 林也
1
1国立名古屋病院循環器科
pp.1082-1088
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906090
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●不整脈の重症度は患者の心機能にも依存するため,基礎心疾患を有する例では,不整脈の重症度診断に加えて,基礎心疾患の病態を正確に把握することが不整脈患者のマネジメントに最も重要である.
●心室細動や心室頻拍などの危険な不整脈の多くは,心筋梗塞や心筋症などの基礎心疾患を有する例に発現するが,基礎心疾患を合併しない特発性のものもあり,それらには非発作時にも特徴的な心電図所見を示すものがある.
●危険な不整脈を予測する心電図所見として,特発性心室細動例における前胸部誘導でのST上昇を伴った右脚ブロック型QRS波,torsades de pointesと呼ばれる多形性心室頻拍例におけるQT延長,心房細動を合併したWPW症候群におけるデルタ波の存在などが挙げられる.このほかにも連結期の短い心室期外収縮や,連発性あるいは多形性の心室期外収縮は,殊に急性心筋梗塞例においては不整脈の重症化を予測すべき所見として重要である(警告不整脈).
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