増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
感染症治療薬
カリニ肺炎治療薬
ベナンバックス(ローヌ・ローラ—中外)
森 健
1
1順天堂大学医学部内科
pp.511
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905763
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本剤は,Tripanosomaなどの原虫性感染症の治療薬であったが,Ivadyら(Mschr Kinderheilk 106:10,1958)がカリニ肺炎に有効であることを報告して以来その治療に用いられるようになったもので,P.cariniiの原虫説が唱えられる根拠の一つであった.しかし現在,Pneumocystis cariniiは原虫と真菌の中間あるいはむしろ真菌に近い微生物とされている.カリニ感染症の治療には,cotrimoxazole(いわゆるST合剤)が第一選択薬とされているが,AIDS患者ではST合剤による副作用の出現頻度が高い.そのため本剤が用いられ,効果はST合剤とほぼ同等である.
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