増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
感染症治療薬
セフェム系抗生物質
ケフラール(塩野義)
大石 和徳
1
1長崎大学熱帯医学研究所内科
pp.457
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905720
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臨床薬理
●作用機序:本剤は経口用第一世代セフェム系抗生物質である.作用機序は他のβ—ラクタム薬と同様,細胞壁の合成阻害にあり,主にペニシリン耐性の黄色ブドウ球菌を含む各種のグラム陽性菌およびインフルエンザ菌などのグラム陰性菌に対し,広い抗菌スペクトラムと強い抗菌力を示す.
●血中濃度モニタリング:本剤は経口投与後,主として小腸上部より吸収される.500mg,250mg経口投与時の最高血中濃度は平均13.0μg/ml,7.4μg/mlであり,血中半減期は30〜50分と短い.組織中への薬剤移行は,扁桃および上顎洞粘膜への移行は最高血中濃度と同等であり,喀痰中への移行はその1/10程度である.また,本剤は内服8時間後までに尿中にその70%以上が排泄される.
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