iatrosの壺
まちがい
大海 庸世
1
1さとう記念病院内科
pp.429
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905696
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〈その1〉サクシゾンとサクシン—救急病院として活躍しているある病院で,喘息重積患者が搬送されてきた時のことです.普段はやさしく温厚な院長も,救急の時には柔道で鍛えた大声で流れるような指示を飛ばすのです.『history!vital!血管確保!O2投与!ネオフィリン!サクシゾン!』
……しかし,一人のNSがもくもくと注射器に吸い込んでいたのは,サクシン……だったそうです
……オット!
〈その2〉高カロリー輸液と経腸栄養——深夜の大学病院の病棟は,一見静かなようでも,NSは病室を巡回し,vital checkや点滴,各種パックの更新にあわただしく勤務をしているのです.ある晩,IVHがつまったと当直が呼ばれました.『フラッシュくらいしてから,呼べよ……』と,内心思いながら病室を覗いてみると,IVHのチューブ内は見慣れぬ白い粘稠な液体で固まっているのです……?そして,その先には経腸栄養のパックがつながっていたのです……!フラッシュをせずに呼んだNSの勝ちかア……翌朝病棟は,大問題となりました.
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