増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
循環器疾患治療薬
硝酸薬(狭心症治療薬・心不全治療薬)
ニトロールR(エーザイ)=フランドル(トーアエイヨー)
小早川 直
1
,
百村 伸一
1
1東京大学医学部第2内科
pp.23-24
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905393
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臨床薬理
●作用機序:硝酸薬は血管を弛緩させる.その機序として,分子構造中のNO2基が血管平滑筋細胞内でNO(EDRF)となり,guanylate cyclaseを活性化し,cyclic GMPを増加させ,G kinaseの活性化をもたらして細胞内Ca濃度を低下させる経路が想定されている.静脈系を拡張し,静脈還流量を減少させ,100μm以上の比較的太い冠動脈を拡張させることで抗狭心症作用をもたらす.また,うっ血性心不全の状態においては静脈還流を減少させ,心室充満圧を低下させるが,心迫出量はむしろ増加し,肺うっ血を寛解するなど抗心不全作用を示す.
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