今月の主題 レディースクリニック
女性と悪性腫瘍
子宮癌
吉田 祐司
1
,
佐藤 信二
1
1東北大学医学部産婦人科
pp.1753-1755
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905285
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●子宮癌は細胞診によるスクリーニング方式がとられている.
●子宮癌は,その発生部位によって子宮頸癌と子宮体癌に分けられるが,これらはその疫学的背景も異なり,それぞれの特徴に合った診療を行っていく必要がある.
●子宮頸癌の治療では手術療法と放射線療法の二大療法が中心となるが,最近ではシスプラチン(ランダ®),カルボプラチン(パラプラチン®)などの制癌剤を用いた動注化学療法によって,down stagingをめざす治療が行われている.
●子宮体癌の治療では手術療法が中心となる.根治手術が望めない症例でも合併症が特にない場合,予後因子の検討のために手術を行うことが多い.
●ケースコントロール研究によれば,子宮頸癌が浸潤癌で発見される危険率は,5年以上未受診例に比べ1年ごとの検診で10分の1近くまで下げられる.
●子宮体癌検診では,より効率的で偽陰性の少ない検診対象の絞り込みをしていく必要がある.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.