今月の主題 血栓症とDIC
血栓傾向
ネフローゼ症候群と血栓傾向
鈴木 亨
1
,
下条 文武
1
1福井医科大学臨床検査医学
pp.1294-1296
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905179
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●ネフローゼ症候群は,高度の蛋白尿(3.5g/日以上)と低蛋白血症(血清総蛋白6.0g/dl以下,あるいは血清アルブミン3.0g/dl以下)を呈し,高脂血症(血清総コレステロール250mg/dl以上)と浮腫を高頻度に合併する症候群である.
●本症候群では,循環血漿量の低下および利尿薬の使用などにより,過凝固の状態である.
●本症候群では,血漿凝固・線溶因子および血小板の異常が存在し,血栓形成の傾向にある.
●本症候群に合併する血栓症としては,肺塞栓症,深部静脈血栓症および腎静脈血栓症などが重要である.
●血栓症は,膜性腎症による本症候群に高頻度に合併する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.