今月の主題 内科医のためのInterventional Radiology
血管系のInterventional Radiology
血管形成術
下大静脈狭窄に対するステント治療
甲田 洋一
1
,
山田 龍作
1
1大阪市立大学医学部放射線医学
pp.1078-1080
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905134
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ポイント
●下大静脈の狭窄・閉塞は転移性肝癌,肝細胞癌などの肝悪性腫瘍による二次性のものと,先天的あるいは後天的と考えられる,肝部下大静脈膜様閉塞や区域閉塞などがあり,Budd-Chiari症候群を呈する場合がある.
●下大静脈の狭窄・閉塞は下腿浮腫,腹水や陰嚢水腫などの症状を呈する.
●Expandable metallic stent(EMS)は血管内異物とはならず,しかもステントをまたいで分岐する静脈分枝の開口部を閉塞しないことなど極めて有利な性格を持つ.
●適応は以下のようなものである.①原発性肝癌による下大静脈の狭窄・閉塞・腫瘍塞栓,②転移性肝癌による下大静脈の狭窄・閉塞,③リンパ節転移による下大静脈の狭窄・閉塞,④下大静脈膜様閉塞・区域閉塞症,⑤Budd-Chiari症候群.
●下大静脈狭窄・閉塞に対し,経皮経カテーテル的にステントを留置することは,極めて非侵襲的で良好な成績が期待できる.
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