日常診療に必要なHIV感染の知識・5
HIV感染症における日和見感染症の診断・治療・予防
安岡 彰
1
1国立国際医療センターエイズ治療・研究開発センター
pp.2257-2260
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904833
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HIV感染症の治療においては,HIVに対する抗ウイルス治療と,日和見感染/悪性腫瘍の治療が,車の両輪のごとく並立して重要である.HIV陽性者にみられる日和見感染症は,日常臨床でよくみられる感染症とは病原体のスペクトラムや病態が大きく異なることから,大胆な視点の切り替えが必要である.表1にAIDSの診断基準にリストされている病原体をあげたが,単純ヘルペス,一般細菌(肺炎球菌,インフルエンザ菌など),結核菌,カンジダ以外は,一般臨床上は比較的稀な病原体である.これらの疾患が患者の免疫状態,一般的には末梢血CD4陽性細胞数に応じて,高頻度に繰り返し発症してくる.
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