今月の主題 臨床医のための遺伝子工学
疾患治療への遺伝子工学の応用:遺伝子治療に向けて
これからの遺伝子治療
腎疾患の遺伝子治療
冨田 奈留也
1
,
檜垣 實男
1
,
荻原 俊男
1
1大阪大学医学部第4内科
キーワード:
HVJ—リボソーム法
,
デコイオリゴヌクレオチド
Keyword:
HVJ—リボソーム法
,
デコイオリゴヌクレオチド
pp.2188-2190
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904820
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遺伝子治療とは,遺伝子導入技術に基づき遺伝子を外部より補充することによる治療法を意味する.対象疾患としては単一の遺伝子欠損症が第一に考えられ,腎疾患においてはAlport症候群,多脳胞腎などがそれらの疾患にあてはまることになる.しかし現在のところ,上記2疾患は遺伝子治療の対象とは考えられていない.現状では,対象としては主に糸球体硬化病変を有する疾患があげられ,遺伝子導入が盛んに行われている.糸球体硬化病変の進展をいかにして抑制するかということで,オリゴヌクレオチドや遺伝子の導入によりメサンギウム細胞の増殖や,細胞外マトリックス産生の抑制を目指した治療法が現在の主流となっている.
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