今月の主題 臓器感染症へのアプローチ
中枢神経系感染症
慢性髄膜炎へのアプローチ
相馬 芳明
1
1新潟大学脳研究所神経内科
pp.17-19
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904313
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ポイント
●慢性髄膜炎では必ずしも髄膜刺激症状が顕著ではなく,痴呆や意識障害が前景に立つことがあるので,髄膜炎を疑い髄液検査を行うことが,正しい診断に至る第一の関門である.
●病因としては頻度の順に,結核,クリプトコッカス,悪性腫瘍が多い.そのほかサルコイドーシスなどもあり,病因はきわめて多彩である.
●急性化膿性髄膜炎の場合と同様に,病因診断確定を待たずに治療を開始せざるを得ない場合もある.
●結核菌は培養に時間がかかるため,結核菌DNAのPCR法による検出が有用である.●クリプトコッカス髄膜炎では,髄液の墨汁染色のほかに,莢膜多糖体の抗原検査が有用である.
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