増刊号 Common Disease 200の治療戦略
神経・筋疾患
多発筋炎
織茂 智之
1
1関東中央病院神経内科
pp.270-271
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904077
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疾患概念と病態
多発筋炎(polymyositis:PM)とは,急性または亜急性の骨格筋筋力低下を主徴とする炎症性筋疾患のうち,ウイルス・細菌・寄生虫など原因の明らかなものを除いたいわゆる特発性筋炎の一つであり,発症には自己免疫的機序が考えられている.PMでは筋病理学的にリンパ球を中心とする炎症性細胞浸潤がendomysium(筋線維と筋線維の間)に多いこと,非壊死筋線維にリンパ球が浸潤するところが観察され(図1),その多くがCD8陽性の細胞障害性T細胞(CTL)であることなどより,CTLの筋線維への直接の攻撃がその病態機序であろうと考えられている.
最近,筆者らは,CTL内の細胞崩壊蛋白パーフォリンがPMにおける筋線維の障害に関与していることを報告した1).
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