増刊号 Common Disease 200の治療戦略
消化器疾患
急性胃炎
柴田 香織
1
,
矢花 剛
1
1道都病院内科
pp.115-117
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904007
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急性胃炎は,本来病理組織学的疾患名である.他臓器の急性炎症と同様に,浮腫,充血,出血,滲出液,壊死などの表層性・びらん性変化がみられ,病理組織学的に好中球を主体とした炎症性細胞浸潤を特徴とする,胃粘膜の局所性あるいはびまん性炎症性変化を指している.急性胃粘膜病変(AGML)や慢性胃炎のいわゆる急性増悪などとともに,診断基準,病型分類,重症度ならびにその臨床的意義などについてはいまだ曖昧な点が多く残されている.しかし,この急性胃炎という病名は日常診療の場において,臨床症状,内視鏡所見などより汎用され,しかも治療の対象とされることが少なくない.
本稿では,急性胃炎の病態,診断および薬物療法のあり方について概説し,実際的な処方例についても言及してみたい.
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