SCOPE
対談:肝疾患研究における—細胞死と細胞増殖
坪内 博仁
1
,
林 紀夫
2
1宮崎医科大学第2内科
2大阪大学医学部第1内科
pp.209-218
発行日 1995年1月10日
Published Date 1995/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903483
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林 日本では肝疾患が非常に多くて,最近,C型肝炎のインターフェロン療法について多くの先生方が興味を持っておられますが,肝臓の病気の進展のメカニズムそのものについてはよくわかっていません.肝疾患の場合,原因がウイルスであれ,アルコールであれ,あるいは自己免疫性の機序であれ,その基本となるところは細胞死と,それに対して細胞増殖が繰り返し起こることだと思います.だから,細胞死と細胞増殖ということはよくわかっていると思っていたのですが,よくよく考えてみますと,そのメカニズムは十分にはわかっておりません.坪内先生のご専門の細胞の増殖・再生については,最近かなりわかってまいりましたが,細胞死のほうはわかっているようでわかっていないと,最近つくづく思っております.
本日は,坪内先生と「肝疾患研究における細胞死と細胞増殖」ということでお話をさせていただきます.まず最初に,細胞死を話題にしたいと思います.坪内先生は細胞の増殖因子であるHGFをご専門にされていますが,HGFというのは細胞死のマーカーとしても非常にいいといつもおっしゃっておられます.その点から入らせていただきたいと思います.
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