アメリカ・ブラウン大学医学部在学日記・4
2年次になる前の1週間の集中講義Physical Diagnosis
赤津 晴子
1
1スタンフォード大学病院内科
pp.2681-2683
発行日 1994年12月10日
Published Date 1994/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903444
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医学部に入学して早や1年がたち,また新学年のスタート時期が巡ってきた.大学が9月に正式に始まる1週間前に,医学部2年生だけは,まだひっそりと静まりかえっているキャンパスに呼び戻される.これはPhysical Diagnosis/身体検査学という2年生の1年間を通じて一つの柱となるコースの1週間の集中講義のためであった.注文どおりにみんなの手もとに届いた医者の七つ道具を抱え,3カ月の夏休みですっかりリフレッシュかつ日焼けした顔が並んだ.ハードルレースのようだった1年目.終盤,学年末試験を控えた頃にはみんな寝不足で,ショボショボした目をしていた.そのためかどうか,私も含め,クラスのみんなはコンタクトレンズが入りにくくなったらしく,急に分厚いメガネで授業に出てきたものだった.それが今日はみんなメガネからコンタクトレンズに替え,女性はうっすらお化粧までして,「さあ〜また1年頑張るぞ!」というやる気と期待とエネルギーで顔がキラキラしている.
この1週間の集中講義で血圧の測り方,聴診器の使い方から始まり,前立腺のチェックの仕方,神経系システムのチェックの仕方やら,痴呆症のスクリーニングの仕方まで,詳細かつ完全な身体検査のやり方を教えられた.
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