今月の主題 消化性潰瘍治療の新展開
特殊な潰瘍の治療
高齢者潰瘍の治療
大島 博
1
1日本医科大学付属第一病院内視鏡科
pp.1672-1674
発行日 1993年9月10日
Published Date 1993/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902269
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●高齢者潰瘍の薬物療法は,一般に攻撃因子抑制剤と防御因子増強剤の併用によって行われる.
●日本人の高齢者胃潰瘍では萎縮性胃粘膜を背景としていることが多いので,初期療法から防御因子増強剤を使用すべきである.できれば主作用の違った複数の防御因子増強剤を用いたい.
●潰瘍が活動期にあり疼痛などの著しい症例,ならびに潰瘍が胃角部およびそれより肛側あるいは十二指腸にある場合と併存潰瘍には,たとえ高齢者でも酸分泌抑制剤を用いる.
●維持療法における防御因子増強剤の使用にも,十分に留意すべきである.
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