今月の主題 症例にみる血液浄化療法の進歩
病態と血液浄化療法
熱傷と血液浄化療法
若林 靖久
1
1北里大学医学部救命救急医学
pp.916-920
発行日 1993年5月10日
Published Date 1993/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902101
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●熱傷をはじめとする外傷,術後患者の体液異常の病態生理の知識が初期治療に不可欠である.
●熱傷の初期治療の目標は臓器,組織への血液灌流量を十分に保つことにある.
●有効循環血液量の評価を誤ると急性腎不全に移行しやすい.最近は感染期の敗血症の一臓器障害としての非乏尿性急性腎不全の発生が多い.
●体液区分の変動に対する予備能力の低いこと,糖,ナトリウム代謝異常を伴うことが多いこと,さらに異化亢進も強いため,進行性の腎機能障害と診断された時点より早期に血液浄化療法を開始するのが好まれる傾向にある.
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