今月の主題 症例にみる血液浄化療法の進歩
病態と血液浄化療法
産科疾患と血液浄化療法
中林 正雄
1
,
原田 誠
1
,
武田 佳彦
1
1東京女子医科大学母子総合医療センター産婦人科
pp.922-925
発行日 1993年5月10日
Published Date 1993/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902102
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●血液浄化療法は血液中の有害物質の除去により疾患を治療する,という考えから発達した.
●産科疾患で適応となる代表的な疾患は母児血液型不適合による胎児溶血性疾患である.
●胎児の血液型抗原が母体と異なる場合に,胎児血が母体循環に混入すると,胎児血液型抗原に対する抗体が母体側で産生され,胎盤を通過するIgG型抗体が胎児に移行して胎児赤血球を破壊する.
●現在では血液浄化療法により母体側の抗D抗体を除去し,胎児輸血や胎外治療が可能な週数まで妊娠を継続させることが期待できる.
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