今月の主題 ウイルス肝炎のトピックス
ウイルス肝炎の病態
劇症肝炎と肝炎ウイルス
高橋 善彌太
1
,
清水 勝
2
Zenyata TAKAHASHI
1
,
Masaru SHIMIZU
2
1岐阜大学医学部・第1内科
2岐阜大学医学部・内科
pp.1532-1533
発行日 1981年9月10日
Published Date 1981/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217315
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劇症肝炎は急性肝炎の経過中,意識障害をはじめとする急性肝不全症状が出現する予後不良の症候群であり,その死亡率は80〜90%と報告されてきている.1974年以後,本邦の劇症肝炎の実態調査を行っているが,そのなかで初発症状から意識障害発現までの日数により予後が異なり,10日以内に意識障害をきたした症例は,11日以後の症例に比べ生存率が高いという事実を見出している1).前者を劇症肝炎急性型,後者を亜急性型と臨床2病型に分類し,生存率,治療効果などを論ずる場合,年齢などの因子とともに,この臨床2病型を考慮する必要性を報告してきている.本稿では日本消化器病学会の定義にしたがって全国集計された結果に基づき,劇症肝炎と肝炎ウイルス,生存率などを中心に述べる.
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