カラーグラフ 電子内視鏡による大腸疾患の診断・9
虚血性大腸炎と抗生物質起因性出血性大腸炎
勝又 伴栄
1
1北里大学東病院・消化器内科
pp.2123-2127
発行日 1992年11月10日
Published Date 1992/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901882
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●虚血性大腸炎
1)概念
下(上)腸間膜動脈の血流減少や腸管壁内微小循環障害により起こる大腸の限局性(区域性)虚血病変である.左半結腸を灌流する下腸間膜動脈流域は交通枝の発達が悪く,普段より血流が少ないため好発部位となる.直腸および右側結腸には少ない.
腸管壁の血流を減少させる原因となる血管側因子としては,動脈硬化,血栓,血管攣縮,血液粘稠度上昇などがあり,腸管側因子としては,便秘などに伴う腸管内圧亢進が考えられる.
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