今月の主題 臨床医のためのわかりやすい免疫学
Bリンパ球の役割
免疫抗体の遺伝子工学
石川 博通
1
1慶應義塾大学医学部・微生物学
pp.1976-1981
発行日 1992年11月10日
Published Date 1992/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901847
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生体は膨大な数の異なった免疫抗体(Ig)やT細胞抗原受容体(TCR)をつくり出すことができる.これらの蛋白質(厳密には糖蛋白質)をコードする遺伝子は,対応する数だけ存在するのではなく,例えばV-D-J-Cから成るIgのH鎖は,生殖細胞遺伝子上では,それぞれ一定の距離をおいて位置するm個のV遺伝子群,n個のD遺伝子群,o個のJ遺伝子群がB細胞の発達分化過程で再構成する.したがって,理論的には(mxnxo)個の異なったV-D-J-Cをつくり出すことが可能である.
本稿ではマウスB細胞の発達分化の基本的事象を図1から図5を用いて解説したい.
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