今月の主題 胸部X線からの肺疾患の診断と治療
気管支肺炎様病変
カンジダ肺炎
森 茂久
1
,
仲村 洋
2
,
大原 博美
2
1慶應義塾大学医学部・内科
2国立大蔵病院・内科
pp.1371-1373
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901622
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ポイント
1)カンジダ肺炎では続発性感染の頻度が高く,これはさらに経気管支感染と血行性播種に分けられる.
2)カンジダ肺炎のほとんどがimmuno-compromized hostや医原性要因により免疫能の低下した患者に発症する.
3)カンジダ肺炎に特徴的な胸部X線所見はない.
4)一般細菌に対する抗生物質療法に反応を示さないimmunocompromized hostの肺炎ではカンジダを含めた真菌性肺炎を積極的に疑う必要がある.
5)カンジダ肺炎が疑われた場合には早期にアンホテリシンB,フルコナゾール,ミコナゾール,フルシトシンなどによる抗生物質治療を開始する.
6)好中球,特に顆粒球減少時のカンジダ肺炎の場合には顆粒球コロニー形成刺激因子製剤などのサイトカイン投与が有効である.
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