今月の主題 Common Diseases リアルタイムの診断・治療手順
循環器疾患
心臓神経症
垣花 昌明
1
1筑波大学臨床医学系・内科
pp.572-573
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901437
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●初診時における病歴の要点
冠動脈造影所見が正常とされた症例の生命予後は良好であるにもかかわらず,50〜70%は相変わらず胸痛に悩み,心臓病ではないかと心配し,日常生活を制限しているといわれる.初診時の病歴聴取に際して,“某院で冠動脈造影所見は正常,冠動脈疾患ではないといわれたが,相変わらず胸が痛くなることがある”などと訴える患者があれば,心臓神経症(cardiac neurosis)が存在する可能性を考慮する必要がある.また,他院ではなく自らの施設で冠動脈造影所見をはじめ,あらゆる面から“心臓病は存在しない”と判定しているにもかかわらず,“胸が痛くなることがある”と訴え続ける患者があれば,心臓神経症の存在を考慮する.
病歴の聴取にあたっては,過去に以下のような診断名を付されたことがあるか否かを調べることが大切である.atypical chest pain, non-cardiacchest pain, microvascular coronary artery disease,過呼吸症候群,食道スパズム,Da Costa's syndromeなどである.
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