今月の主題 よくわかる内分泌疾患
Editorial:一般診療において内分泌疾患を見逃さないために
阿部 好文
1
1北里大学医学部・内分泌代謝内科
pp.1843-1846
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901192
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●内分泌疾患は稀なのか,発見されないだけなのか
一般内科医の間には,内分泌疾患は稀であり,また訳の分からない負荷検査がいろいろと必要となるので,一般医が扱うのではなく,専門家にまかせたほうがよいという誤解が存在しているように感じられる.実際,実地医家向けの雑誌で内分泌疾患を特集すると,部数が出ないそうである.
その結果,多くの内分泌疾患患者が発見されずにいる.内分泌疾患のほとんどは長期間放置されても死亡することはないので,いずれどこかでは発見される.末端肥大症やクッシング症候群が発見されるまでには平均でも6年ほどの病悩期間があるとされ,甲状腺機能低下症にいたっては,20,30年といった病悩期間も稀ではない.
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