増刊号 わかりやすいエコー法の臨床
心エコー法
疾患と心エコー図異常
先天性心疾患—複合心奇形(Fallot四徴症,大動脈縮窄複合)
里見 元義
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所・循環器小児科
pp.201-207
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901145
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先天性心疾患の多くは単一の病変ではなく,さまざまな部位における種々の程度の短絡,狭窄,逆流の組み合わせである.その中でも,よく知られた組み合わせの疾患に対しては,ファロー四徴症,大動脈縮窄複合,左心低形成症候群,右心低形成症候群などのような名前が与えられている.このように複数の病変が微妙に組み合わさった場合には,心エコー図診断といえども,1つの断面で1つの病変を診断しただけでは疾患全体を診断したことにはならない.複合心奇形の診断の要点は,まず1つの病変をみつけたら,それに合併しやすい病変の組み合わせの存在を知っていることと,できる限り多くの断面を用いて多面的に観察することの2点に集約される.代表的な疾患を挙げながら,その診断手順の実際を示す.
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