Japanese
English
特集 右心と左心
Fallot四徴の左室
Left ventricular characteristics in tetralogy of Fallot
中野 博行
1
,
神谷 哲郎
1
,
森 忠三
1
Hiroyuki Nakano
1
,
Tetsuro Kamiya
1
,
Chuzo Mori
1
1京都大学小児科
1Dept. of Pediatrics, Faculty of Med. Kyoto Univ.
pp.339-347
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202751
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主として先天性心疾患を取り扱う小児循環器病学の分野では,従来より,各種心疾患の血行動態の解析や重症度の判定は,もっぱら,肺循環を含めた右心系を中心に行われてきた。しかし,最近になって,心筋収縮メカニズムに関する基礎的,生理学的研究が進展し,これが,成人心疾患の病態生理の解明と,主として左心機能評価へと臨床的に応用されるにつれ,ようやく,先天性心疾患の分野においても,左心系の解析の必要性とその重要性が認識されるにいたった。Fallot四徴(以下,TFと略)は,なかでも,右室流出路が特異な構造を有し,右左短絡を呈するところから,右心系における分析でかなりの情報が得られ,しかも,左心系へのアプローチの困難さも手伝って,長いあいだ,もっぱら右心系の所見を中心に重症度が判定され,手術適応が決定されてきたが,左心動態の解明が進むにつれて,TFにおける左心の重要性が注目されてきている1)。
ここでは,まず,右心と左心の観点から,TFをみる場合不可欠なものとして,これまでに解明されているpressure-flow dynamicsを軸とするTFの血行動態について述べる。
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