今月の主題 高齢者医療の新しい視点
高齢者によく見られる疾患の診断・治療上の問題点
褥瘡
福井 基成
1
1京都大学胸部疾患研究所理学呼吸器科
pp.1341-1343
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903747
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ポイント
●褥瘡は皮膚局所に圧が持続的に加わったため生じた皮膚および深部組織の阻血性障害である.
●褥瘡発生には,全身状態,皮膚局所の状態も深く関わっている.
●高齢者においては,長期臥床の場合だけでなく,急性疾患で入院後,短期間に褥瘡が生じる場合がある.
●褥瘡予防の基本は体位変換であるが,除圧・減圧用具の併用も必要とする.
●褥瘡は壊死組織を伴う難治性創傷の一つであるが,合理的な治療により治癒可能である.医師の積極的な治療参加が望まれる.
●深部まで障害された褥瘡は,壊死組織の除去後,瘢痕形成という過程を経て治癒する.
●治療の進行に伴い,創面の色調は黒,黄,赤,白と変化する.
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