今月の主題 中枢神経系の感染症
中枢神経系の感染症
北原 光夫
1
Mitsuo Kitahara
1
1東京都済生会中央病院・内科,慶応義塾大学医学部・内科
pp.210-211
発行日 1984年2月10日
Published Date 1984/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218883
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中枢神経系の細菌感染症は化膿性髄膜炎と脳膿瘍に代表されるが,両者とも確実な診断と正しい治療が強く要求される.髄膜炎の後遺症は脳の機能にまで及ぶことがあり,医師として完治しうる疾患の見落し,あるいは不十分な治療は極力避けるべきである.
頭痛,発熱と髄膜刺激症状を伴った患者には迅速な対応が必要であり,内科的エマージェンシーと考えるべきである.院外感染の髄膜炎の大部分はStreptococcus pneumoniae, Neisseria menin-gitidis, Hemophilus influenzaeによるが,早急に治療を開始しないと予後が悪くなる.したがって,血液培養,髄液採取が終了した時点でただちに抗生物質投与を開始する必要がある.
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