今月の主題 大腸疾患診療の新時代
内科医のための大腸疾患診断実践講座
大腸癌と腫瘍マーカー—診療にどう用いるか
大倉 久直
1
,
菅野 康吉
1
1国立がんセンター病院・臨床検査部がん反応検査室
pp.1520-1521
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901039
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大腸癌にはCEAを筆頭に,CA19-9,SLX,NCC-ST-439などのマーカーが知られている.これらの腫瘍マーカーは,早期癌では普通は陰性であり,進行癌でも病期IIとIIIの場合は陰性のほうが多いため,初診者に診断の目的で用いる意義は低い.しかし,血清腫瘍マーカーが陽性値の時には進行癌である確率が高く,予後不良の指標になる.また,術後のフォローアップでは,肝,肺,骨などの遠隔転移時に,自覚症状や画像検査で異常が発見されるより1〜6カ月も早く上昇するので,再発の早期発見に役立つ.
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