今月の主題 心不全へのアプローチ
心不全患者のケア
心不全患者の外科手術
小泉 克己
1
1神戸市立中央市民病院・循環器センター
pp.1424-1425
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901021
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米国(1988年)における年間の心血管疾患罹患数は250万人(心筋梗塞は約150万人)であり,米国国民の4人に1人は心血管疾患をもっていると推計されている.Manganoら1)によれば,non-cardiac surgeryは1988年に2,500万件以上行われたが,このうち約100万人の冠動脈疾患患者を含め700〜800万人が周術期における心血管疾患のhigh risk groupと考えられた.死因全体に占める虚血性心疾患の割合は欧米では約1/3にのぼるが,わが国ではその割合は米国や北欧の約1/7程度と少ない.しかし,今後,高齢者の増加に伴って手術時における心血管疾患の危険は増大していくものと憂慮されている.
本項では心疾患患者とくに心筋梗塞患者の手術に伴う心合併症についてとりあげ,術前のリスク評価について述べたい.
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