連載 私がターミナルケアに魅かれる理由・2
真のターミナルケアを求めて
黒田 裕子
1,2
1元・宝塚市立病院
2現・宝塚市老人保健施設事業課
pp.906-909
発行日 1995年9月1日
Published Date 1995/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904903
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言いわけしていた自分
学生時代に出会ったKさん,そのKさんから学んだことを失いかけていたときに,それを強烈に思いおこさせてくれたNさん,この2人との出会いは私の看護,特にターミナルケアに対して深く考えさせられる機会となりました.
Kさんとの出会いで,理想に燃えて臨床の場に向かったはずでしたが,学生のときに学生の目で見ていた臨床の場と,看護婦となって,その立場で見たそれは大きく異なっていました.「言葉」も「行動」も考えていたよりもはるかにきびしいものでした.おおげさな表現かもしれませんが,たとえばそれは戦争のようなもので,学生時代はそれをみずからの身を危険にさらすことのないテレビの映像で見ていたのであり,実際に戦場(臨床)に出てみると,自分の身体をかすめるような弾丸が飛び交うのです.
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