血液疾患診療メモ
白血病で見逃されやすい危険な病態
岡田 定
1
1昭和大学藤が丘病院・血液内科
pp.913-915
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900893
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白血病の病態としては,
1)芽球を主体とする白血病細胞が正常骨髄を置換し,正常造血が抑制されるために起こる貧血,顆粒球・血小板減少
2)白血病細胞から遊離される凝固前駆物質による播種性血管内凝固症候群(DIC)
3)白血病細胞の骨髄外への増殖,浸潤による臓器腫大(ワンパ節腫脹,肝脾腫)と機能障害,中枢神経白血病,腫瘤形成,歯肉・皮膚浸潤などがよく知られている.
これらの病態の他に比較的稀ではあるが,対処が遅れると致命的になりえる病態に,hyper-leucocytic syndrome(白血球著増症候群)とtumor-lysis syndrome(TLS;腫瘍融解症候群)がある.
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