今月の主題 糖尿病診療の実際
合併症への対応
糖尿病を伴った高血圧患者の治療
猿田 享男
1
1慶應義塾大学医学部・内科
pp.834-836
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900875
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ポイント
1)糖尿病を伴う高血圧の治療は,総カロリーおよび糖質の制限と減塩食の摂取など,食事療法が大切である.
2)降圧薬としては,糖尿病の程度および合併症をみて選択する.合併症のない糖尿病を有する高血圧では,ACE阻害薬,α1遮断薬,Ca拮抗薬などがよい.
3)腎症を生じ,血清クレアチニン2.0mg/dl以上となればACE阻害薬を避け,Ca拮抗薬やフロセミドを少量使用する.
4)神経障害が進行してくれば,α1遮断薬は避けたほうがよい.β遮断薬を使う場合はβ1選択性とし,血糖降下薬の使用者では低血糖の遷延に注意する.
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