今月の主題 アレルギー疾患診療の実際
診断・検査のポイント
病歴の取り方—問診の手順,診断のコツ
飯塚 邦彦
1
,
中澤 次夫
2
1群馬大学医学部・第1内科
2群馬大学・医療技術短期大学部
pp.224-226
発行日 1991年2月10日
Published Date 1991/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900701
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●病歴聴取の要点
病歴聴取の重要性は数々の先人たちが繰り返し述べてきたことで,その姿勢はアレルギー疾患とて基本的に異なるものではないが,しいてあげればアレルゲンの検索を常に念頭におくことである.その要点としては以下のものがあげられる.
1)患者の主訴を重視する.初診時にはまず患者に自由に一通り話させてみる.患者の訴える言葉の内容は生活レベル,インテリジェンスにおいて各人各様である.とくに地方では特有の表現や言葉があり,慣れない医師が勝手に判断し,細かいニュアンスを無視してしまうことがある.たとえば筆者も膝のことをスネと呼ぶ患者の主訴(膝関節痛)を誤解したことがある.カルテの記載も無理に医学用語化せず患者自身の言葉(patient' sown words)で行うほうが正確なことが多い.
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