今月の主題 不整脈診療プラクティス
トピックス
植え込み型除細動器(AICD)
大西 哲
1
,
笠貫 宏
1
,
細田 瑳一
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所・循環器内科
pp.174-176
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900693
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心室細動は自然停止することは少なく,突然死の原因として最も重要である.心室細動に対する治療は,直流通電による電気的除細動(electrical defibrillation)が必須である.心室細動に対する電気的除細動は,QRSと同期せずに直流通電を加え洞調律に復させるもので,その装置を除細動器(defibrillator)と呼ぶ.1962年Lownらが,CCUにおいて心室細動に対して電気的通電を行い除細動に成功して以来,体外式除細動器により多くの患者を救命することが可能となり,除細動器は心肺蘇生に不可欠となった.
心臓急死(心室細動)から救急蘇生により回復した患者の半数以上は,持続性心室頻拍から心室細動に移行しているといわれており,持続性心室頻拍は心臓急死の原因として重要である.持続性心室頻拍の停止には,通常,薬物,ペーシングおよび体外式除細動器によるcardioversionが用いられる.心室頻拍に対するcardioversionは,直流通電による心室細動の発生を防ぐためQRS波に同期させて通電し,洞調律に復させるもので,その装置をcardioverterと呼ぶ.
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