今月の主題 STROKE—脳卒中診療のポイント
脳卒中診療の基礎知識
脳血管障害における脳循環代謝の基礎
福山 秀直
1
1京都大学医学部・神経内科
pp.2394-2397
発行日 1990年12月10日
Published Date 1990/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900617
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脳血管障害の病態を理解する上で脳循環の基本的なメカニズムを理解することは重要である.血管と脳神経細胞が虚血や脳血管の動脈硬化に伴ってどのように反応するかを念頭において,脳血管障害の病態を理解し治療に役立たせる必要がある.脳血管障害と一括して呼んでいるが,その中にはさまざまな病態が含まれている.
これまで脳血管障害は脳梗塞や脳出血のように病理学的な変化のみに注意が注がれ,脳循環動態がどのような状態になっているか関心を持たれることは少なかった.これはX線CTが脳血管障害の診断に果たした役割が大きかったことに原因がある.X線CTやMRIなどでは脳循環動態よりも,その結果としての病理的変化を画像として表示するものであるからである.最近,123I-IMPなどによるSPECT(single photon emission CT)が脳血管障害の臨床診断に用いられるようになり,脳循環動態の重要性に注意が向けられるようになりつつある.
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