今月の主題 抗生物質の使い方
editorial:抗生物質投与の問題点
北原 光夫
1
1東京都済生会中央病院・内科
pp.1092-1095
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900268
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●抗生物質投与の前に
体温上昇をみた時点で,高体温なのか発熱であるのかを区別する必要がある.高体温(hyperther-mia)は中枢神経系疾患に伴って,最も多くみられる.くも膜下出血後の体温上昇は高体温であって,発熱ではない.
発熱(fever)はプロスタグランジンの増加に伴う,中枢神経系におけるサーモスタットの上昇である.発熱は感染症のみならず,悪性腫瘍,膠原病,腸の炎症性疾患,薬剤によってもひき起こされるので,その鑑別は重要である.
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