今月の主題 呼吸不全の臨床
急性呼吸不全・慢性呼吸不全急性増悪の臨床
緊急時薬物治療の選択
石井 彰
1
,
可部 順三郎
1
1国立病院医療センター・呼吸器科
pp.758-759
発行日 1990年5月10日
Published Date 1990/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900188
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急性呼吸不全とはそれまで呼吸器系になんら異常のなかった人が,肺炎,ARDS,自然気胸,術後肺合併症,呼吸筋麻痺などのため急激に動脈血酸素分圧の低下をきたした状態である.以下,基盤に慢性呼吸不全を持っている場合の急性増悪も含めて話をすすめる.治療原則は呼吸管理(低酸素血症の改善),病態に対する治療,原因・基礎疾患に対する治療の3点であるが,治療上,もっとも優先させるのは呼吸管理である.呼吸管理の主体は酸素療法やレスピレーターであり,薬物療法としては呼吸促進薬などがあるが一般的ではない.薬物療法の主体となるのは病態に対する治療,原因・基礎疾患に対する治療である.
以下,本稿では緊急時の薬物治療について概説するが,原因・基礎疾患の治療については割愛する.
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