今月の主題 臨床医のための免疫学
免疫と臨床
特発性血小板減少性紫斑病
小林 勲
1
1山梨医科大学・第2内科
pp.472-474
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900121
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特発性血小板減少性紫斑病(Idiopathic Thrombocytopenic Purpura,ITP)は従来原因不明で生ずる血小板減少と紫斑を呈する病態に対して名づけられていた.これまでの研究では,患者の体内に自己の血小板に対する抗体(抗血小板自己抗体)が産生され,この抗体と血小板が抗原抗体反応により結合する.抗体が結合した血小板は脾臓,肝臓および骨髄のマクロファージに貪食されるために流血中で寿命が短縮し,その結果血小板数が減少すると考えられている.骨髄では血小板減少に対して代償性に巨核球数が増加している所見がみられる.
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