今月の主題 臨床医のための免疫学
癌と免疫
生物学的活性物質と癌治療
佐々木 康綱
1
1国立がんセンター病院・内科
pp.444-447
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900114
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●癌治療における生物学的活性物質の現況
molecular biologyの発達により,癌治療においても,種々の生物学的活性物質であるサイトカイン(cytokine)のクローニングと大量供給が可能となり,臨床応用の試みが積極的に展開されている.
細胞性免疫反応に関与するリンホカインやモノカインは,抗原を認識したT細胞や,マクロファージが特異抗原に対するクローン細胞を増殖させたり,増殖したクローン細胞が抗原を排除するために分泌する液性因子である.当初これらの物質は,リンパ球やマクロファージのみが産生するものと考えられていたが,多核白血球,NK細胞,線維芽細胞,上皮細胞などによっても大量に産生しうることが解明され,生物学的活性物質として広義には,サイトカインと総称されている.
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