今月の主題 再灌流療法時代の急性心筋梗塞診療
再灌流療法
再灌流療法の有効性
一色 高明
1
,
山口 徹
1
1三井記念病院・循環器センター内科
pp.52-57
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900017
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急性心筋梗塞に対する再灌流療法は,1979年にRentropら1)がstreptokinaseを用いて以来,またたく間に急性心筋梗塞初期治療の根幹をなす治療法となった.従来の治療は心筋壊死の進行を阻止するものではなく,壊死が完成した後に開始され,ひき続いて発生する不整脈に備え,心不全を管理することがその主たる内容であった.これに対し,再灌流療法は心筋壊死の進行を阻止することにより,心筋梗塞を完成させずに最小限に抑えることを目的としているという意味で画期的なものである.再灌流療法を導入した当初,再灌流に成功した患者にはほとんど手がかからないことにCCUの医療担当者は驚愕し,本療法が心筋梗塞治療を大きく変化させたことを実感したのである.
本稿ではこの再灌流療法の有効性に関し,総論的見地からその概略を示す.
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