今月の主題 再灌流療法時代の急性心筋梗塞診療
診断と評価
血液検査による診断と評価
永井 良三
1,2
,
磯部 光章
2
,
矢崎 義雄
2
1東京大学医学部・検査部
2東京大学医学部・第3内科
pp.38-40
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900012
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心筋梗塞の大きさを早期に推定することは,臨床的に非常に重要である.心不全や重篤な不整脈などの合併症が,大きな梗塞であるほど高頻度に出現するからである.梗塞サイズを血液生化学的に評価する方法として,クレアチンキナーゼ(CK)やそのアイソザイムCK-MBの測定が一般的に用いられている.すなわち,CKの高い症例ほど心筋障害が激しい.しかし冠再灌流術を急性心筋梗塞症例に行うと,血中CK値が梗塞サイズを必ずしも反映しない.これは血中CK値を指標とすると冠再灌流療法の効果判定が困難であることを意味し,臨床上大きな問題となっている.
本稿では,冠再灌流時の血中CKの動態と,新しい心筋障害の指標ミオシン軽鎖について述べる.
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