連載 ERの片隅で・7
ティッシュ山積みサイン
関根 一朗
1
1湘南鎌倉総合病院【湘南ER】
pp.1982-1983
発行日 2023年10月10日
Published Date 2023/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229247
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土曜の夕方、赤い夕日が救急車搬入口をスポットライトのように照らしている。ER内で救急搬送を告げるアナウンスが流れた。「10分後、救急車入ります。43歳男性、テニスの片付け中に回転性めまいを生じ、救急要請。麻痺や嘔吐なし。」
間もなくして、首にタオルをかけたスポーツウェアの男性が救急隊のストレッチャーで搬入された。「こんなめまいは初めてです。熱中症ですかね?」と言う男性に、担当する研修医は挨拶をして、神経診察を始めた。搬入直前に復習した眼振誘発試験でも有意な眼振はなく、MRIで中枢性めまいを精査する方針にしたようだ。
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